barutanGNE's blog

kindleで読んだ本の感想や、プログラミングに関する記事など。

「世界はひとつの教室 」

反転授業とは

反転授業とは、一言で言えば、今まで教室でやっていた講義の代わりに、生徒に家で授業の動画をみてくるのを宿題とし、逆に今まで生徒に宿題としてだしていた演習問題を、教室でやるようにする、というものだ。
現状の学校の授業は、おおよそ、先生が30人から40人の生徒を相手に壇上で話をする、という生徒にとって受動的な形式で行われている。先生の話は、それが知っていることでも「それは分かってるから先に行ってください」ということはできない。逆に自分がわからないことがあっても、「分かりません」といって授業の進行を止めるのもなかなか難しいことだ。だから授業は、分かっている生徒にとっては退屈で、わからない生徒も退屈なものになってしまいがちである。
このような形式がいままで主流だったのは、生徒ひとりひとりの理解度に合わせた学習をサポートする、というのは、コストがかかりすぎるからだ。先生の数は限られているし、授業の時間にも限りがあるので、理解の早い生徒に進んだカリキュラムを用意したり、わからない生徒に追加のサポートをしたりするのにはどうしても限界があった。
しかし、現代にはYoutubeがある。テレビやラジオと違って、Youtubeに動画をアップロードするのは誰にでも自由にできる。ひとりの先生がYoutubeに講義をアップロードすれば、生徒の数が何千人だろうが何万人だろうが、自分のペースに合わせてその講義を受けることができる。分かっているところを飛ばすことも、分からないところを何度も繰り返すこともできる。
だったら、教室で生徒を集めて講義をするよりも、生徒に自宅でYoutubeで講義を受けさせたほうがいいじゃないか、となる。その分、教室ではいままで宿題として出していた演習問題をやらせて、先生はつまづいている生徒のサポートなどをする。また、生徒間での議論など、能動的な学習を促す。
僕は、初め著者のTED動画を見た時は、とてもいい考えだと思ったが、同時に、従来とは正反対のスタイルの学習なので、これから日本でも反転授業のスタイルが普及していくのかについては疑問を感じた。しかし、国内でも反転授業のいくつか実験的な取組みや計画がなされているようだ。

その他

完全学習」についてとか、カーン・アカデミーのプログラミングコースや数学のドリルが結構面白いとか、本書について書きたいことはもうちょっとあるので、そのうち書く、と思う。